ブランデーの種類をわかりやすく解説|産地や製法によるブランデーの説明

ブランデーの種類をわかりやすく解説|産地や製法によるブランデーの説明

お酒に興味がある人にとって、ウイスキーがどんなお酒なのか気になる人も多いのではないでしょうか?

ウイスキーと一言で言っても、産地や原材料によって種類が大きく違うので楽しみ方も多くあります。

それぞれ地方、原料、製法、メーカーなども違うため、どんな違いがあるのか知っておくと、よりウイスキーが楽しめるようになりますよね。

また、ウイスキーの歴史を振り返るとさらに楽しみが増えたりします。

 編集部 山本

こんにちは!編集部の山本です。長く酒屋をやってる私としては、ウイスキーの低迷期を目のあたりにした経験があります。

特に1980年代や90年代はウイスキーよりも同じ蒸留酒で焼酎が人気の時代もありましたね。

2000年に入って、サントリーさんの角ハイボールで一気にブレイクして今や日本だけにとどまらず世界中で日本のウイスキーが人気となりました!

はい!それでは、ウイスキーの定義や産地・原材料による違いについて詳しくご説明しましょう。

目次 [閉じる]

1 ウイスキーの定義

2 ウイスキーの産地による種類の違い

3 ウイスキーの原材料による種類

4 まとめ

ウイスキーの定義

日本におけるウイスキーの定義は、酒税法3条15号により、以下の通りになっているんですね。

発芽させた穀物と水を原料にして糖化させ、出芽酵母によって発酵させたアルコール含有物を蒸溜させたもの

発芽させた穀物と水によって穀物を糖化させ、発酵させたアルコール含有物を蒸溜させたもの

以上の工程で製造した酒類にアルコールやスピリッツ、香味料、色素、または水を加えたもの

簡単に説明するなら、『穀物を使っていること』『蒸溜酒であること』『樽で熟成』させることが日本におけるウイスキーの定義です。

ウイスキーの産地による種類の違い

ウイスキーが製造されている産地によって様々な種類があることをご存知でしょうか?

産地によって使われている原料や製法、特徴などが違うため、どんなメーカーが取り扱っているかを知っておくと、よりウイスキーを楽しむことができます。

それでは、ウイスキーの産地による種類の違いについてご説明しましょう。

ジャパニーズ・ウイスキー

ジャパニーズ・ウイスキーとは日本国内で製造されているウイスキーのことで、オークションで非常に高い値段で取引されたり、アジアからの旅行者が爆買いしたり、蒸溜所や見学者でひしめき合っていたりと世界各国から人気を集めています。

主な産地北海道余市郡の余市蒸溜所や宮城県仙台市の宮城峡蒸溜所など原材料大麦、小麦製法スコッチ・ウイスキーの製法と非常に似ている特長ジャパニーズ・ウイスキーが製造されている蒸溜所はウイスキーづくりに非常に適した環境で、モルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーが製造されている主なメーカーサントリースピリッツニッカウヰスキーキリンビール本坊酒造江井ヶ島酒造

代表的なジャパニーズウイスキー

まずは国産のウイスキーでおさえておきたいウイスキーを紹介しましょう!本当はサントリーさんの「山崎」や「響」を紹介したいのですが、品薄状態のため定価での販売サイトが無い状態です。

なので今から紹介する商品については通常の小売価格で販売するサイトになりますのでご安心ください。

スコッチ・ウイスキー

スコッチ・ウイスキーとはスコットランドのウイスキーという意味があり、イギリスの主要な製品として200ヶ国以上に輸出しています。全てのウイスキーの生産量の60%はスコットランドで作られていることから、スコットランドはまさしくウイスキーの聖地だと言えるでしょう。

主な産地スコットランド原材料大麦麦芽、とうもろこし、ライ麦、小麦製法スコットランドで精麦、糖化、発酵、蒸留、熟成までが行われる。麦芽を乾燥させるとき泥炭(ピート)による独特な香りが特長。特長スコッチウイスキーの銘柄にはアイランズモルト、アイラモルト、スペイサイドモルト、キャンベルタウンモルト、ハイランドモルト、ローランドモルトなど様々な種類の銘柄がある。主なメーカーザ・マッカランタリスカーグレンフィディックジョニーウォーカーオールドパーザ・グレンリベット

アイリッシュ・ウイスキー

アイリッシュ・ウイスキーとは世界5大ウイスキーの一つであり、アイルランドで製造されています。スコッチウイスキーなどが生まれる以前の1900年ごろは世界で6割程度のシェアを占めていたこともありますが、今現在ではスコッチやバーボン、ジャパニーズウイスキーなどと比べるとシェアが低いです。

主な産地アイルランド原材料大麦麦芽、とうもろこし、ライ麦、小麦、未発達大麦製法アイルランドで糖化、発酵、蒸留、熟成までが行われる。木製の樽での熟成が法律によって義務付けられている。特長アイリッシュ・ウイスキーにはポットスチルウイスキーという種類が存在する。ポットスチルウイスキーは原材料が混合しており、大麦麦芽と未発達大麦を30%、その他の穀物の合計が5%以下と定められている
また、大麦と麦芽が全体の95%を占めており、なおかつ大麦麦芽はノンピートであることが義務付けられている主なメーカーブッシュミルズジェムソンレッドブレストカネマラタラモアデュー

アメリカン・ウイスキー

アメリカン・ウイスキーとはアメリアで製造されているウイスキーであり、世界5大ウイスキーの1つです。

甘くまろやかな味わいのバーボンウイスキーや飲みやすいテネシーウイスキー、辛口のライ・ウイスキーなどアメリカ発祥のウイスキーが数多くあります。原料によるアメリカン・ウイスキーの種類を原料と一緒に掲載します。

バーボン・ウイスキー…トウモロコシが最低51%以上79%まで。

コーン・ウイスキー…トウモロコシが80%以上占める

モルト・ウイスキー…大麦が51%以上を占める

ライ・ウイスキー…ライ麦が51%以上を占める

よくアメリカのウイスキー=バーボン・ウイスキーと思われがちですが、実は違んですね。バーボン・ウイスキーはアメリカン・ウイスキーの1種になります。

また、バーボン・ウイスキーの中に、ケンタッキー州で生産されるケンタッキーウイスキーとテネシー州で生産されるテネシー・ウイスキーとに区分されています。バーボンで有名なジャック・ダニエルはテネシー・ウイスキーになります。

主な産地アメリカ原材料大麦麦芽、とうもろこし、ライ麦、小麦製法基本的にとうもろこしやライ麦、小麦などの穀物を原料とし、アルコール度数を95%以下で蒸溜させ、オーク樽で熟成させ、アルコール度数40%以上で瓶詰めする。特長アメリカでウイスキーが作られるようになったのは1622年からですが、当時は樽で熟成させていないので非常に飲みにくく、ハーブや香辛料を混ぜてごまかしていた。18世紀に入ると、スコットランドの移民が現地の蒸溜技術を伝えたことでようやく味が美味しくなった。主なメーカーワイルド・ターキージャック・ダニエルウッドフォードリザーブフォアローゼズジムビームメーカーズマーク

カナディアン・ウイスキー

カナディアン・ウイスキーはかつてアメリカで行われた禁酒法を機に爆発的に売上を伸ばした世界5大ウイスキーの1つです。当時禁酒法時代にカナダからアメリカへ大量にウイスキーが供給されたようです。

その後も、カナダから良質なウイスキーがアメリカに供給されたことで、さらにアメリカにおいて人気が定着しました。そして第2次世界対戦以降は世界的に注目され5大ウイスキーの一つとして認知されています。

主な産地カナダ原材料大麦麦芽、とうもろこし、ライ麦、小麦製法穀物のみを原料として糖化させて発酵させ、カナダ国内で蒸溜し、容量700リットル以下の樽で最低でも3年間熟成させる。特長カナディアン・ウイスキーにはフレーバリングウイスキーとベースウイスキーの2種類があり、この2つをブレンドしたカナディアン・ブレンデッドウイスキーがある。何と言っても非常に軽くて飲みやすいのが最大の特徴主なメーカー
カナディアンクラブカナディアンミスト

ウイスキーの原材料による種類

産地に続いて使われている原材料によって種類が違うのも知っておきましょう。ウイスキーに使われている原材料は多くありますが、主に大麦やライ麦、とうもろこしが使われていることが多いです。作り方の製造工程を詳しく知りたい方はこちらのページも御覧ください。

それでは、ウイスキーの原材料による種類についてご説明しましょう!

モルト・ウイスキー

モルト・ウイスキーとは単式蒸溜器で蒸溜して造られるウイスキー。
原材料のモルト(大麦の麦芽)が100%使われている。

癖のある臭いが特長のピートと呼ばれる泥炭で燻したり、スモーキーな香りが楽しめるなど、基本的に他のウイスキーにはない個性的な味が楽しめるのがポイントです。

モルトウイスキーにはシングルモルトとブレンデッドモルトの2種類があるため、どんな特徴があるのか知っておきましょう。それでは、シングルモルトとブレンデッドモルトについてご説明しましょう。

シングル・モルトとは

シングル・モルト…1つの蒸溜所で製造される。

シングルモルトが親しまれているのは、各蒸溜所によって味の個性がまるで違うからです。仕込みの際に使用する水から製造工程、蒸溜器の形状、熟成される樽や熟成環境の違いなど、蒸溜所によって味の個性が非常に大きく変わるため、シングルモルト1つとっても千差万別の楽しみ方があります。

ブレンデッド・モルト(ヴァテッド・モルト)とは

ブレンデッド・モルト…複数の蒸溜所のモルト原酒を混ぜ合わせて製造する。

モルト原酒を混ぜ合わせることをヴァッティングと呼ぶことから、ヴァテッド・モルトと呼ばれることもあります。

シングル・モルトとシングル・カスクの違いは?

シングル・モルトとシングル・カスクの違いは、『樽』にあります。

シングル・モルトは1つの蒸溜所で製造されている。
シングル・カスクは1つの蒸溜所の中の1つの樽で製造されている。

シングル・モルトは厳密に言えば1つの蒸溜所で製造されるものの、同じ蒸溜所内であればブレンドしても問題ないと言われています。シングル・カスクはそれをもっと突き詰めたもので、何も混ぜずに1つの樽のみで製造するのが最大の違いです。

蒸溜所と熟成年数が同じでも樽ごとに香味などが大きく変わるため、1つの蒸溜所内の樽ごとの楽しみ方があるのです。なお、同じボトルは世界に100本~400本程度しかないという希少性も兼ね備えています。

グレーン・ウイスキー

グレーン・ウイスキーとは穀物類を原料にして、糖化のための大麦麦芽を加えて製造されるウイスキーです。

原材料大麦麦芽、とうもろこし、ライ麦、小麦製法蒸溜の段階で連続式蒸溜器を使うのが特徴特長一般的なモルトウイスキーと比べてクセが少なく、飲みやすい

ブレンデッド・ウイスキー

ブレンデッド・ウイスキーの定義は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーの原酒をブレンドして製造されるものです。

原材料大麦麦芽、とうもろこし、ライ麦、小麦製法複数の樽の原酒を混和させる製法特長単発式蒸溜器の複雑な味わいと連続式蒸溜器の飲みやすさを兼ね備えているのが特徴

ライ・ウイスキー

ライ・ウイスキーとはライ麦を主原料としたウイスキーです。

原材料ライ麦製法主原料であるライ麦を51%以上含み、オーク材の樽で最低2年以上熟成させる特長ほろ苦くスパイシーさのある味が特徴ライ麦の比率が高いほど穀物の香ばしさが強くなる

コーン・ウイスキー

コーン・ウイスキーはとうもろこしを主原料としていますが、同じくとうもろこしを主原料としているバーボンウイスキーもあります。これらの違いは、どれだけとうもろこしを主原料としているかどうかです。

コーンウイスキーは主原料のとうもろこしが80%以上含まれていることが条件ですが、バーボンウイスキーはとうもろこしが51%以上を含まれているか、もしくはコーンウイスキーを内面で焦がした新しい樽で熟成させた場合にバーボンウイスキーと呼びます。

原材料とうもろこし製法主原料であるとうもろこしを80%以上含み、オーク材の樽で最低2年以上熟成させる特長コーンウイスキーは一切熟成しないのが特徴荒いアルコールを味わった後にとうもろこしの甘みが感じられる

まとめ

ウイスキーには産地や原材料によって様々な違いがあるため、非常に奥深いお酒です。産地や原材料はもちろん、仕込みの際に使用する水から製造工程、蒸溜器の形状、熟成される樽や熟成環境の違いなどから千差万別の味わいが楽しめるのが、ウイスキーならではの特徴です。

興味がある人は、是非とも産地や原材料にこだわったり、様々な味わいを楽しみながら蒸溜所などの違いにもこだわってみてはいかがでしょうか。

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